昨日行ったBank ART Stationで9月23日(月・祝)まで行われている島袋道浩さんの展覧会でひとつ思い出したことがありました。
私は美術館の施工の会社で働いていたため、様々なアーティストの作品設置のお手伝いもさせていただきました。
そのなかで、金沢健一さんというアーティストのことを思い出しました。
現在、私が活動している横浜の黄金町には「黄金町アートブックバザール」という古本屋があり、その在庫の一部が私が運営している「ステップ・スリー」にもあり、そこに金沢さんのカタログがありました。
私がお手伝いをした作品とは違うのですが、金沢健一さんの作品でたたくと音が出る作品があります。
床に直置きではなく、半球のゴムを床に敷き、その上に鉄の作品を置きます。
この作業を、美術のデッサンなどの訓練をしたことのない人と一緒に行っていましたが、その人が置いたゴムの上では鉄の音がなりません。
金沢さんは、「ふつうに気持ちのよいところにこんな感じでぽん、ぽんと置いていけばいい。」と話しましたが、美術の訓練をしたことがない人は、その気持ちよいところがわからなかったようでした。
訓練をしたことのある人とない人とで普段は、わけることはありませんが、かなり突っ込んだ作業になるとどうしても技術が必要になることがあります。
これは美大を出ている出ていないは関係なく、ものを観察してそれをある程度の画面にいいバランスでおさめる。という訓練を重ねて行ってきたかどうかが重要になってくるかと思います。
この経験はものをつくるにあたり、大きなヒントとなっています。
今回のBankART Stationでの展示をみて、そのことを思い出していました。
ものの配置のしかたにより音のきこえ方は変わるもので、音の作品であっても、視覚は大事になってくるのです。
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