早めに行って早くご紹介できればよいのですが、だいたいギリギリになってしまいます。
かけこみで横浜のBankART Stationで開催の「島袋 道浩 音楽が聞こえてきた」に行ってきました。
施設運営をしているとなかなか他の展覧会に行けなくなります。
特に、私は美術館の施工会社で働いていたので、美術館が仕事場になってからはよっぽど気になるもの以外は行かなくなりました。
しかし、コロナ禍で、行きたくても美術館が閉まっているという現状に遭い、美術館に行けることのありがたみを改めて感じることになりました。
美術作品をみることは、いつもと違う視点を与えてくれるので、結果それが癒しになったり、元気をもらえたりします。
今回の展覧会はサウンドアーティストやどこかの国のミュージシャンとの交流によってできた作品が並んでおり、実はサウンドアート大好物の私には「みてよかった。」と思える展覧会でした。
音もそうですが、BankART Stationのかっこいい空間を生かした作品やものの配置が気持ちいい展覧会でした。
そして、大御所ですけどもかわいらしいと思ってしまった小杉武久さんの映像。
口に笛のような何かを加えてピーピー音を出していましたが、よくみると崎陽軒の醤油入れのひょうちゃん。
自然の中で歩きながらいろんな音を出している姿をみて、
なんかこういう謎の行動、子どものころやっていたかもしれないけど、
この御歳までその気持ちを保っている小杉さんはすごいな。と思い、ほほえましく眺めていました。
会場には島袋さんらしき方がいましたが、20年以上前に会ったときからみると当然でしょうが、外見が変わっていました。
実は、青森から上京してすぐに行った展覧会に島袋さんがいらっしゃり、なんでも質問してよいというので、「どうしたら、アーティストになれますか?」とききました。
その頃、アーティストに会うたびにそんな質問をしていました。
青森にいるころは、現代に活躍している若手のアーティストに会う機会はほとんどありませんでした。
ですから、20代前半の私は30代くらいで活躍しているアーティストに出会うと、ねほりはほり、いろんなことをききました。
青森から来た気合の入った変な田舎者と思われていたところもあり、そこがかえって強みになり、覚えてもらえました。
その中でも島袋さんは一度会って、一度話をしただけです。
「どうしたらアーティストになれるのか」の答えとして、
「毎日裸で鏡の前に立ち、オーラを出す練習をしろ!」と言われました。
が、やりませんでした。
でも、結果、形から入るというのも大切だということがわかりました。
どうしたらアーティストになれるのか。という答えは、
「私はアーティストです。」と名乗ることです。
ある日からそうすることにしました。
最初はバカにされましたが、だんだん周りが「アーティストの竹本さんです。」と紹介してくれるようになりました。
島袋さんといえば、そんなヘンテコで強烈な思い出がありましたが、今回の作品は純度の高い、体の水が入れ替わるような心地よい展覧会でした。
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